ミニマリスト流「掃除をラクにするモノの持ち方」

「掃除が面倒くさい」「片付けてもすぐ散らかる」——そんな悩みを抱える人に共通するのは、モノの多さとその管理の難しさです。ミニマリストたちは、少ないモノで暮らすことで、掃除そのものを“ラク”にしています。この記事では、ミニマリストが実践する「掃除をラクにするモノの持ち方」を具体的に解説します。

1. モノを減らすことは掃除を短縮すること

掃除に時間がかかる最大の理由は、モノを動かさないと掃除ができない点にあります。床や棚の上に物が多いと、それを一旦どかして拭き、また戻すという作業が発生します。ミニマリストは、掃除のたびにこの「どかす手間」を省くために、そもそも“どかす必要がない状態”をつくります。

たとえば、床に置く家具を減らして脚付きの収納に変えれば、ルンバや掃除機が通りやすくなります。また、飾り棚をなくし、写真や思い出の品をデータ化すれば、ホコリのたまり場もなくなります。

2. 「掃除しやすさ」でモノを選ぶ

ミニマリストは、デザイン性だけでなく「掃除しやすいか」を基準にモノを選びます。たとえば、複雑な形の照明や凹凸の多い家具はホコリが溜まりやすく、掃除も手間です。代わりに、表面がツルッとした素材やシンプルな構造のアイテムを選べば、サッと拭くだけでキレイを保てます。

また、布製品よりも洗える素材を選ぶのもポイントです。ラグを廃止してフロアマットを導入したり、カーテンをブラインドに変えたりするだけでも、掃除の手間は大きく減ります。

3. 「定位置を決める」で散らかりを防ぐ

掃除をラクにするもう一つの鍵は、「モノの定位置を決める」ことです。定位置が決まっていないと、使った後に戻す場所が曖昧になり、結果として部屋が散らかります。定位置を明確にすることで、片付けが“考えずにできる”行動になります。

ミニマリストの中には、「使う場所に収納をつくる」という鉄則を持つ人もいます。例えば、掃除道具を玄関の下駄箱の横に収納しておけば、帰宅後すぐに玄関を掃けるようになります。これは、掃除を“ついで化”するための仕組みです。

4. 「見せない収納」でホコリを寄せつけない

オープン収納は一見おしゃれに見えますが、ホコリが溜まりやすく掃除が大変です。ミニマリストは、扉付きの収納を好む傾向があります。見えない場所にしまうことで、視覚的にも空間が整い、ホコリの付着も抑えられます。

また、収納ケースを統一することで見た目のノイズを減らし、掃除道具を動かしやすい導線を確保することができます。

5. 「使い切る」「増やさない」意識を持つ

どんなにモノを減らしても、意識を変えなければまた増えていきます。ミニマリストは、買う前に「これは掃除をラクにしてくれるか?」と問いかけます。必要なモノを厳選し、ストックを持ちすぎず、使い切る習慣を身につけることが重要です。

特に掃除用品や日用品は、“今あるものを使い切ってから次を買う”というルールを設けることで、無駄なモノの増加を防げます。

まとめ:掃除をラクにするための最小限思考

ミニマリスト流のモノの持ち方は、単なる片付け術ではありません。それは「掃除のしやすさを基準に暮らしをデザインする」という考え方です。モノが少ない空間では、掃除も一瞬で終わり、心の余裕も生まれます。掃除を頑張るよりも、掃除しなくてもキレイを保てる環境を整える——それがミニマリストの本質です。

著者
元・片付けられない男/掃除習慣研究家
おたろう

かつては“汚部屋住人”として生活に悩まされていたが、一念発起して断捨離と掃除の習慣化に挑戦。数年間で50冊以上の関連書籍と心理学論文を読み漁り、自ら実践・改善を繰り返すうちに、ミニマリスト的生活を確立。「ズボラでも続く習慣」をテーマに、リアルな視点で情報発信中。

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